健康のために運動を続けたいけど、なかなか継続できなかったという経験はありませんか?
さらに、コロナ禍で外出する機会も減り、運動不足を感じている人も多いのではないでしょうか。
厚生労働省の令和元年度「国民健康・栄養調査報告」によると、運動習慣のある人の割合は、男性が33.4%、女性が25.1%となっています。
ここでいう運動習慣とは、「1回30分以上の運動を週2回以上実施、1年以上継続している者」と定義されています。運動習慣のある人は全体で3割程度と低く、運動の習慣化が難しいことが良く分かります。
習慣的な運動がダイエットや生活習慣病の予防につながるなど、健康効果が高いことはすでに多くの研究で明らかになっています。
しかし、頭では分かっていても、なかなか行動に移すことはできません。
運動の継続に関する報告によると、運動を続けられない理由として「時間に余裕がない」「一人ではやりにくい」「面倒」「仕事が忙しい」などが挙げられています。
それでも、運動を継続するコツを挙げるとすると、達成できる目標を持つことです。続けられない理由から考えると、可能であれば、仕事や家事のすき間時間で行え、家族や友人と、または運動教室などで誰かと一緒に行うのが良いと言えるでしょう。
運動をほとんどしていない場合、例えば、携帯電話やスマートフォンについている歩数計で、ご自身の1日の歩数を計測してみましょう。
まずは、ご自身の運動量、歩数などを確認することが大切です。
1日の歩数が5,000歩だった人は、そこにプラス1,000〜2,000歩増やせるよう工夫します。一歩の算出方法は、身長×0.45cmと言われていますから、160cmの人の場合5,000歩で3.6km、1,000〜2,000歩増やせると、720m〜1.4kmとなり、1日に5㎞近く長く歩いたことになります。
そこに、1,000歩程度の低い目標を立てて達成できるようにしてみます。思っていたより容易にできた場合は、徐々に距離を伸ばしていくと良いでしょう。成果が見えれば、やる気につながります。
「体力」の定義とは?
運動生理学上の「体力」の定義は、「行動体力」と「防衛体力」の2つがあります。行動体力とは、体を動かして行動するための、いわゆるスポーツテストなどで測られる基本的な身体能力のこと。もう一方の防衛体力とは、免疫機能や身体抵抗力を含めた体が病気と戦うための能力のことです。
「体力が落ちる」と私たちはどうなる?
私たちは日頃から「体力が落ちた」「体力がなくなってきた」とよく言うことがありますが、キビキビと動けなくなったという意味で使う場合もあれば、純粋に走るスピードが落ちたという場合や、例えばジョギングなどで同じ負荷をかけているのに以前より長時間もたない、といった場合もあります。
先ほどの定義に沿ってみると「体力の低下」とはいったい何を指しているのでしょうか?