運動は継続

運動は、負荷の大きさではなく「継続すること」を重視しよう

身体能力の向上まではいかなくとも、生活習慣病の予防などについては、身体活動量を多くするだけでも効果が期待できます。日常生活で簡単に取り入れられる徒歩通勤、通学、家事などの活動量を増やし、無理なく継続できることから少しずつ取り入れていきましょう。

何より、運動能力が低下すると「運動そのものが億劫になってしまう」という側面もあるので、やはり維持する意識が重要です。

体力をつけることの意味は、単に行動体力、防衛体力を養うことに留まらず、心身のストレス耐性にもつながっているということがわかっています。どのような強度の運動でも週にトータル1時間以上行えば将来うつ病になるリスクを減らせることが海外の研究でわかっています。心の健康には運動強度は重要ではなく、ウォーキングなど日々の活動を増やすだけでも充分効果的なようです。

外出機会が減る梅雨時期や冬季に限らず、在宅勤務の方が増えている昨今ではそもそもの運動機会を逸していると考えられますが、オンラインの運動セッションや階段での昇り降りなど、何でも良いのでとにかく体を動かすことを心がけることが、シンプルながらも世代を問わず悩まされるあらゆるストレスに立ち向かえ得る入口と言えそうです。

体力をつけるための生活習慣3選

運動以外に、体力をつけるためにできることは何でしょうか。

体力アップにおすすめのバランスのとれた食事、睡眠、入浴の3つの習慣をそれぞれ解説します。

体づくりのためには栄養バランスのとれた食事を

基本的なことですが、体力をつけるにはまず栄養が充足していることが必要です。私たちの体のエネルギーを消費するのは筋肉だけではありません。生きているだけで臓器や脳も常にエネルギーを必要としています。私たちの体が必要な仕事をしてくれるためにも栄養は必要不可欠なのです。栄養不足や過度な偏りのないように、バランスよく食事をとるようにしましょう。

また、体力を維持、強化するために必要とされる栄養素をいくつかご紹介します。まずは筋肉の材料となるタンパク質。タンパク質の不足は筋力の低下にもつながるため積極的に摂取しておきたい栄養のひとつです。お肉やお豆腐などに含まれます。また、必須アミノ酸であるBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)は筋肉の分解を抑制して合成を助け、筋肉痛を軽減する働きがあります。運動と併用することで、筋肉量を増やし、身体能力を上げるのにも役立ちます。マグロやアジ、サンマなどの魚類や、卵、大豆などに含まれています。

最後に、エネルギー産生のアシスト役となるビタミンB群です。エネルギー産生を促してきちんと疲れをとり、体を回復させるために必要な栄養素です。豚肉や乳製品、緑黄色野菜などに多く含まれますが、水洗いや熱に弱く流出しやすいので、意識してとる必要があります。

栄養ドリンクは疲れをとるための栄養が効率よく吸収できるように工夫されており、中にはビタミンB群やBCAAが含まれている製品もあります。ハードな運動後や風邪で身体抵抗力が落ちている際に効果が発揮されるものもあるため、うまく活用しましょう。