美容の定義

厚生労働省における「美容」の定義は美容師法に基づき、化粧やヘアスタイル、着付けなどにより、容姿を美しくすることである。

広く捉えて健康や医療分野などで用いている者もあるが、法的には別の分類であり混同すべきではない。したがって、美容師免許を取得していない者が、「美容を業とする」のは美容師法違反となる。

美容術

美容術とは美顔、整髪、着付け等の容姿を美しくするために施す技術であり、美容法ともいう。

美容術の専門職は美容師であり、日本の美容国家資格は美容師免許のみである。

美容所

美容所の開設は、保健所への届出が必要である。美容業務は、ヘアメイク以外にも着物の着付けやメイキャップ、ネイルケア、フェイシャルエステ、染髪、まつ毛エクステンションなど多岐にわたり、それぞれの業務を専門とするサロンもある。

顔剃りは理容師免許が必要である。女性の髪を結って整える女髪結いが美容師に発展した。

ヨーロッパではルネサンス期に入り、文芸を通して身体美を賞揚する風潮が発生し、写実的な肖像画が描かれるようになると、女性の身体美への関心が高まるようになった。トマス・アクィナスが自然な肉体美を賛美して以来、美容による人工的な美を虚飾の罪に触れる欺瞞行為として退ける風潮があったが、その規範も16世紀末には緩み始め、白粉による化粧やミルクを使用したスキンケアが普及し始める。

17世紀には化粧をすることへの賛否は依然として存在していたが、化粧品はメイクの技巧の多様化とともに発達した。ルネサンス期には女性の身体美への関心は専ら上半身に集中していたが、宗教の影響力の低下とコルセットの流行などに見られるモードの変化によって、女性のボディラインの露出に関する社会的制約も徐々に緩くなり、18世紀には女性の身体美を総体として評価することが一般的な態度となった。また、美容の世界に科学の影響が及び始め、入浴による全身のケアや姿勢の矯正に関心が及ぶことで、美容は衛生や健康と密接な関係となって行く。